LEARNING LIBRARY自由研究の進め方・用語集

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石炭

石炭は、大昔の植物が堆積し、地中で長い年月をかけて形成された化石燃料です。石油と異なり世界各地で採掘されるため、安価で安定供給が可能です。日本でもかつては多くの炭鉱が栄えました。しかし、石炭は燃焼したときに大量の二酸化炭素を排出するという欠点があります。石炭火力発電は液化天然ガス(LNG)を燃料とした火力発電の約2倍の二酸化炭素を排出するとされ、その高い環境負荷が問題視されています。

石油

石油は、大昔のプランクトンなどの死骸が地中で長い年月をかけて変化したとされる化石燃料です。現在、自動車のガソリン、冷暖房のエネルギー、プラスチック製品など、現代社会の多岐にわたる分野で使われています。しかし、石油は燃焼したときに多くの二酸化炭素を排出し、地球温暖化を加速させています。そこで、現在は石油以外への転換が図られており、その一つとして「カーボンリサイクルプラスチック」が注目されています。この製法では、回収した二酸化炭素を原料に新たなプラスチック製品を作ることができるため、二酸化炭素の排出量を削減できるとして研究が進められています。

石油危機/オイルショック

石油危機/オイルショックは、1973年と1979年の二度にわたり、中東の政治情勢の不安を背景に石油価格が世界的に急騰した出来事です。当時、日本は安価な石油を前提に高度経済成長を続けていましたが、エネルギー供給の約8割を輸入石油に頼り、その大半を中東に依存していました。このため、オイルショックによる混乱と不況は日本経済に甚大な打撃を与えました。この経験から、日本は石油への過度な依存を反省し、石油の安定確保や省エネルギー政策を推進しています。さらに、原子力、天然ガス、石炭といったエネルギー源の活用を進め、石油依存度の低減を図るようになりました。

石油貯蔵船

現在の日本は、消費する石油のほぼ全てを輸入に依存しています。そのため、戦争などによって産油国の情勢が悪化した場合、石油の価格が高騰したり、最悪の場合は供給が停止したりするリスクがあります。こうした事態に備え、日本は石油貯蔵船に石油を備蓄しています。現在、国内には福岡県の白島(しらしま)と長崎県の上五島(かみごとう)に貯蔵設備があり、合計約1,000万kLの石油を貯蔵。これに加え、政府と民間を合わせた国内の石油備蓄は、現在およそ200日分に上ります。

ゼロエミッション

1994年に国連大学が提唱した「ゼロエミッション」は、人間の活動から出る廃棄物を限りなくゼロにすることを目指す取り組みです。製品を製造する際に廃棄物を出さない工夫や、発生した廃棄物の徹底したリサイクルを通じて、廃棄物処理で発生する二酸化炭素を減らすことができます。また、資源を最大限に活用することは、持続可能な社会の実現にもつながります。JERAは、2050年までに、発電時に二酸化炭素を排出しない「ゼロエミッション火力」の実現を目指しています。

全固体電池

全固体電池は、将来的な活用が期待される高性能な次世代の蓄電池です。電池の構成要素に、正極と負極をつなぐ電解質がありますが、全固体電池は従来のリチウムイオン電池と違い、液体ではなく固体の電解質を用いることが特徴です。これにより、液漏れといった事故のリスクが大幅に減り、安全性が向上します。さらに、充電速度の向上や電池容量の増加といったメリットもあり、電気自動車(EV)の電源として世界中で実用化に向けた研究開発が進められています。